KY-空気読めなくて何が悪いか!

日本人は空気を読みすぎる。本当に読みすぎる。それは友達同士だけでなく、会社でも、国でもそう。

この「空気」の例として、「戦艦大和」の例を挙げ、「いかなる状況にあろうとも、裸の艦隊を敵機動部隊が跳梁する外海に突入させるということは、作戦として形を成さない」という「明白な事実」を、作戦当事者自身が理解していながらも、「私は当時ああせざるを得なかった」という「空気」に支配されていたことを、「軍には抗命罪があり、命令には抵抗できない」という議論は怪しく、「むしろ日本には『抗空気罪』という罪があり、これに反すると最も軽くて『村八分』刑に処せられる」ことが解説されています。
http://www.pm-forum.org/100satsu/archives/2006/12/post_610.html

空気でいじめが起こる。空気で会社の予算が決まる。空気で戦争がおこる。
「抗空気罪」という違反すると村八分にされる罪が日本にはある。流行の言葉で言うとKYである。そもそもKYなんて言葉が流行語になっちゃいけないと思う。

空気に支配されないためにどう生きるか。

これからの個人の存在価値はここに尽きるのではないだろうか。空気を読める同質化した人々の中から新しい何かが生まれ出てくるとは思えない。
これからの日本において大事なことは以下の二つではないだろうか?

  1. 空気読めない人(=水を差す人)を認める社会
  2. 村八分にされても生きていける突出した個性を作る社会


1. 異質な個人を「KY」と攻撃せずに認めることができる社会を日本は実現できるのであろうか。
これを実現するにはまず、学校教育の在り方から考え直さねばならない。そもそも日本の義務教育は同質化のもとに成り立っている現状がある。
クラスでは同じ教科書を使い、同じペースで授業が進み、同じテストを受ける。たとえばアメリカではクラスの中でそれぞれがそれぞれのレベルに応じた授業を受けていることは普通にある。人はそれぞれ違う、ということをそもそも認識しているのである。
日本の企業においても同じことが言える。たとえば、成果主義が良い悪いという話題があるが、そもそも小さい頃から年功序列で育てられてきたんだから違和感が生じるのは当たり前である。


2. 突出した個性を持っていきていく。
変人と呼ばれた小泉元首相が良い例である。賛成派なんて少なかった郵政民営化を彼は実行した。彼は逆に自ら空気を作る側に回ったのだ。
個性を前面に出して生きていくにはある程度の方法論はある。前エントリーのコードスイッチ話法もその一つのlifehacks。しかし方法論で何とかなるほど甘い話ではない甘いムラ社会=日本ではない。

空気に支配されない、つまり逆に「水をさせる」人間になるためにどう生きていくべきなのか。

その答えになるかもしれない本がここにあります。

他人との会話の中で「あれ、おかしいな」という内なる言葉を自分の中にためているような人にこそ読んで欲しい本。そして読んで、発言してほしい。
この本には日本の空気ではなく、シリコンバレーの空気が流れている。そして、「今の日本に必要なのはシリコンバレーの空気ではないか?」という梅田望夫さんの想いを感じることもできる。わたしたちはKYなんて言っている場合ではなく、このような想いを感じながら次の時代を作っていかなければならない。

日本の空気にシリコンバレーの空気を混ぜる。

空気は一人では作れません。ギークでなくてもかまわない、エンジニアでなくてもいい、どんな人だっていい。一歩目は、空気を読まずに自分の内なる声を発言すること、のような気がします。

Your time is limited, so don't waste it living someone else's life. Don't be trapped by dogma ― which is living with the results of other people's thinking. Don't let the noise of others' opinions drown out your own inner voice. And most important, have the courage to follow your heart and intuition. They somehow already know what you truly want to become. Everything else is secondary.


他の誰かの人生を生きてはいけない。好きなことを探し続け、落ち着いてはいけない。探すのをやめてはいけない。内なる声に従い、自分の愛する仕事を全うする、そうすることで真に価値あるものが達成される。それ以外のことはすべて二の次でいい。

Text of Steve Jobs' Commencement address (2005)