ピ・ン・ポ・ン・かぁ
非常に残酷な本。おもしろさよりも怖さ。人生はコレだから恐ろしい。ピンポンを流行遅れながら初めて読んだ。映画は前にテレビで見たことがあるかもしれない。その時はストーリーは追っていなかった。
この漫画を見て、この映画を見て、みんなは何を感じたのだろうか?
松本 大洋 / 小学館(1996/06)
/ 角川エンタテインメント(2006/10/20)
確かに引き込まれる。引き込まれる。何回も読み返してしまうスゴイ漫画。
みんなの友情、青春時代、ヒーロー願望、頑張ることの格好良さ、卓球のおもしろさ、兼ね備えてる。
でも、
おもしろさ<人生のこわさ
この漫画の命題はコレじゃないのかな。
「才能のないものは去れ」
この本からすごくそのことをジンジンと感じたんだよ。
自分の才能の限界を感じて去った人、限界を感じながらいつまでも去れない人、才能がありながら悩む人、みな悩んでいる。この本の中で最後まで楽天的に卓球を続けている人はいない。
- やりたいことをやっていて、才能もあり結果を出してる人。一番幸せな人。
- やらされてるんだけど結果を出してしまう人。やりたくないけど、周囲の目を気にしてやり続ける人。自分の本当の心を隠す人。他人の笑顔が見たくてやりたくないことをやり続けることができる素敵な人。
- 自分が一番になれるものを意思で選んできた人。どっちだったら自分がトップになれるか。小さいころからそういうことを選んできた人。やりたいかやりたくないかは関係ない。or何をやってもある程度の結果を残してしまう人。本当にやりたいことの見つけられない万能の人。
- やりたいと言う自分の意志で道を選んできた人。自分のやりたいことをやってる人。でも、選んだやりたいことに才能があるとは限らない悲しい人。
- 何かに強制されてやりたくないことをやり、かつ、結果の出ない人。自分に才能がないことを知ってやりたくないことに転嫁するパターンもある。
- なんとなくやってる人。やりたいとかやりたくないとかじゃなくて、これしかやることがないんだよね。
他にもいっぱい例はあると思う。挙げはじめればきりがない。ピンポンには1のカテゴリーの人はでてきません。いや、そんなことはいいんだ。
悲しいかな、街ですれ違うサラリーマン。6で働いている人が非常に多く思えるのは。
多くのみんながみんな、才能とやりたいことに対して折り合いをつけてしまった。