『この国を出よ』大前研一×柳井正

大前 研一,柳井 正
発売日:2010-09-29

マッキンゼー大前研一さんとユニクロ柳井正さんが日本悲観論を語る。日本全体のことから、日本人、政治、企業に渡り、問題点を考察。そして、どう行動するべきなのか?を熱く語る。彼らなりの対策は、是非本書を読んでいただきたいと思う。比較的平易な文章で書かれているので、一国民の私たちにグサリと刺さる。


人は国を選んで生まれることができません。国を移るという選択肢はあるにはあるのですが、この国を見捨てるには、愛着がありすぎる。四季などの環境、文化、食、日本人、、、。この国に愛着がある人が多いからこそ「この国を出よ」と言えるのであって、そもそも国に愛着がない人が日本に多ければ、国民比率はもっと小さくなっておかしくない。
日本を見捨てるために、グローバル化するわけではないし、英語を勉強するわけではない。

『この国を出よ』というタイトルの深さを読後に考えさせられる一冊。

今や日本は、世界の荒波の中で、羅針盤も舵も失って、ただ沈没を待つだけの難破船のように見えます。このまま行けば、日本という国は消えてなくなってしまうのではないか―
(中略)
例えば、900兆円を超える世界一の残高に膨れ上がった公的債務です。その対GDP比率は200%に達し、金融危機で大混乱を引き起こしたギリシャの約120%をはるかに上回る異常値となっています。
「国家の滅亡」が危惧される状態であり、ここまでくれば、まず財政再建を優先し、異常値を下げることに全力を尽くすのが政治家の務めであるはずです。しかし、この国のリーダーたちはまったく正反対のことばかりやっています。
子ども手当や農家の戸別所得補償制度、高速道路の無料化などのバラ撒きをするために、税収の2倍を超える大型予算を組み、不足分を膨大な国債発行で穴埋めするという愚行をエスカレートさせている。

「国民全員が、今の日本はあとのない崖っぷちにいる現実を知らなければいけない」ということです。この認識を持てば、腹をくくることができます。リスクを恐れてチャレンジしなければ、座して死を待つだけですから、必死にならざるを得ません。

もう一つは、「国に頼らず自分の力で立て」ということです。僕みたいな者が偉そうなことを言うのは汗顔の至りですが、人生は一度限りのものです。自分が主役となってやりたいことを力いっぱいやらなければ、人生の幕を閉じるときに後悔しても取り返しがつきません。

メモ

・日本の現状を認識する
・腹をくくってチャレンジする
・過去の失敗や他国、他人の失敗から学ぶ
ドラッガーの著作を読む(もしドラ×)
大前研一の著作を読む
・未来は現在よりも必ず良くなる
・自分に期待する
・プライベートを充実させる
・グローバルを目指す