1分コーチング

初めてチームリーダーとなり、部下という存在を持ったとき、どのようにコミュニケーションをとったらいいのかは、誰もが悩むところです。
「どんなふうに指示をすればいいのだろう」
「言いたいことが、ちゃんと部下に伝わるだろうか」
「指示したことをできない、やれないと拒否されたくない」
(中略)
様々な期待を持ちながらも、うまくいかない場合も多いかもしれません。
そんなとき役立つのが、本書でご紹介する、”コーチング”を使ったコミュニケーション・スキルです。

コミュニケーションを経験に基づく自分なりのスキルではなく、広く汎用的な一般解としてのスキルとして、身につけるにはどうしたら良いのか、と思い手に取った書籍。
周囲の人を見ていると、多くの人はコミュニケーションを「スキル」として考えてはおらず、場当たり的に、または自分自身の経験則のみで考えすぎているように思う。価値ある体験・経験を再現性のある、汎用性のある者に落とし込み、自信は新たなスキルを習得する。企業の進歩は、そうやって生まれてきたはずだし、人も同じように思う。

”認める”ことは”ほめる”こととは少し違います。ともすると人は、「よくやったね、頑張ったね」とほけることを、”認める行為”と考えがちですが、そうではありません。
認めるということは文字通り、部下のしてきた行動をそのまま「こういうことをしたね」と言葉にして伝えることです。
「計画通り実行することができたね」
「今月の売り上げ目標を達成できたね」
「最後まで責任を持ってやり遂げたね」
そこには、特別なほめ言葉をつける必要はありません。
達成した事実を認めるだけで、部下自身がこれまでの自分の行為が価値あるものだと気づき、結果だけでなく、仕事のプロセスそのものを大事に思えるようになります。これが本人のやる気に大いに刺激を与えるのです。
このような行為を「アクノレッジメント」といいます。

たとえば、以上のようなことを意識的に行っているか、ということを考えて欲しい。人をほめるときにどのようにほめているか、こういうことをスキルとして持っているのと持っていないのでは「人を動かす」ときに大きな違いが出てくる。
ともすれば、ほめるときには、つけあがってしまう人やほめたことで相手を疑ってしまう人には、アクノレッジメントし、認めることで相手に考えさせる、ことができる。


少しばかり、意識的にスキルとしての、コミュニケーションを考えるきっかけとなる入門本。