軽くなる生き方

誰のブログを読んでいたか忘れてしまったが、この本が紹介されていた。どんな紹介のされ方だったのか、どんなエピソードが書いてあったのかさえも忘れてしまった。でも、その瞬間、心に残ったんだろう。
いま、この本が私の手元にあるから。

とても、とても優しい本だと思う。軽くなる生き方、というよりも、自分に正直な生き方。オーソドックスに考え、相手のことを思い、自分のことを大切にする。そういうことの大切さをまったりとした文章で、ゆったりと語られる。
なんというのかな、子守歌みたいな本だと思う。
日々に疲れている人、こころがとげとげしているなと感じている人、こころが砂漠みたいだよと感じている人、あったかい気持ちになりたいなと言う人に読んで欲しい。

たとえ言いにくいことでも、クレームでも、「正直に言うこと」はとても大切だと思っている。仕事の基準がブレなくなるし、お互いを尊重することにもつながるからだ。


逆の立場で、僕が原稿を書く際も、編集者にダメ出しをされることがある。
「ここの文章は読者にはわかりにくいので書き直してください」などと言われると、聞いた瞬間はカチンとくるものの、頭を冷やしてみれば、本当にありがたいと思う。

「この人は、僕の原稿をきちんと読んでくれているんだな」そんな感謝がわいてくる。原稿で迷ったとき、この編集者になら相談できると思う。逆に「いいですね、面白い、すてきな原稿です」と無難にほめてくれるだけの人は、原稿さえ手に入れば内容はどうでもいいのかもしれない、とすら思うことがある。


言いにくくても感じたことをはっきりと言うことは、正直に相手に反応するということだ。これはたいそうエネルギーを要するし、相手に愛情がなければできない。

だからこそ、プライベートでも「あれ?」と思ったことがあれば、はっきり言おう。たとえば友だちと話していて、相手の言った何気ない一言にとても傷ついたとする。悪気がないのはわかっているけれど、それは自分にとってはデリケートな部分で、イヤな思いが消えないとする。
そんなとき、言葉をぐっとのみ込んで我慢してしまったら、相手はあなたの「傷つきやすいツボ」を知らないままになってしまう。今回はうやむやにやり過ごせても、次に同じことが起きたときは爆発し、友情は台無しになってしまうかもしれない。


相手が大切な友人であり、ずっとつきあっていたいのなら、勇気を出してこう言おう。「その一言に、今、私はとても傷ついた」と。

流れる景色を必ず毎晩見ている。うちに帰ったらひたすら眠るだけだから。
ほんのひとときでも自分がどれだけやったか、窓に映っている素顔をほめろ。