形だけでなく、力を身につけよう

私自身がソフトウェアの会社に勤めていることもあって、よく考えることの一つが似たようなことをやっているのにも関わらず(上流工程の部分とか)、金額が全然違うことが大きくあり得るってこと。IT業界でいう要求定義とBPRの違いって何?みたいなことはよくあるわけです。
その他にもよくあるのが、「○○コンサルタントです」という「とりあえずコンサルタントとつけておけば売れる」戦術というのがある。○○に入る言葉は不動産でも服飾でも店舗経営でも何でもよい。営業という言葉よりも、やわらかく、かつ、賢いイメージは確かにあるし、お客さん側から見ても営業以上の期待値を求めるだろう。それは新卒採用でも同じで、「事業内容○○コンサルティング」「コンサルティング営業職」などの言葉が応募者を増やす呼び水にもなっているようだ。

このような状況は改善することは難しいし、どうせなら「コンサルタントコンサルティング」これらの言葉をもっと使えば良いと思う。中身はともかくとしてこの言葉に今は価値がある。そして、本当にコンサルタントとしての力がある人は差別化していけばいいと思う。


では、何をもって差別化するのか、そのヒントは勝間和代の最新刊にあります。


この本は7つのフレームワーク力を章立てして詳細に述べてあります。

  1. 論理思考力
  2. 水平思考力
  3. 視覚化力
  4. 数字力
  5. 言語力
  6. 知的体力
  7. 偶然力

内容についてここで精査するようなことはしませんが、勝間和代さん(マッキンゼーなどでコンサルタントとして活躍)の考え方の秘密がここにあります。
フレームワークを知るだけでなく、フレームワーク力をつけようというのがこの本の趣旨だと思われるのですが、翻せばMECEなどの確立されたフレームワークがどの力に属しているのか、そもそも根本的な考え方は何なのか、というような力の部分は実はコンサルタントの質に関わってくるのではないでしょうか。表面的に手法を使って分析していくのであれば、少しかじればできないことはない。しかし、根本的な考え方を理解していれば、手法が役に立たないような状況の時に応用できる。そして「これは、こういう法則になって」と新たなフレームワークを発見することができる。

質の高い=差別化のできるコンサルタントとは、フレームワークを理解しているだけでなく、フレームワークを根本的に理解し、フレームワーク力を持っている人である、ということができるような気がします。


「形だけでなく、力を身につけよう」というタイトルにしましたが、これはスポーツでよく言われる「上手い」と「強い」の違いの差のような気がします。フレームワークを数多く知らなくても、力があれば勝てるんです。フレームワークを生み出せるんですから。