「食い逃げされてもバイトは雇うな」なんて大間違い

「食い逃げされてもバイトは雇うな」なんて大間違いを読みました。
さおだけ完結編とオビに書かれているとおり、「さおだけ屋はなぜ〜」から続く3部作の完結編と呼ぶにふさわしい内容となっています。

〈「食い逃げされてもバイトは雇うな」なんて大間違い〉は、ダントツで山田真哉の最高傑作。
404 Blog Not Found:反?会計本 - 書評 - 食い逃げされてもバイトは雇うな/なんて大間違い

のように小飼弾さんに書評されているように、わたしも全3部作を呼んで「食い逃げされてもバイトは雇うな」なんて大間違いが最高傑作だと感じました。それは、会計士の限界云々以前に山田真哉さんの人生訓までが含まれているアツイ内容となっているからです。本書は章単位に山田真哉さんの想いというものが込められているように感じます。

以下に目次を転記。

はじめに 宝くじは有楽町で買うべきか否か
第1章 数字の達人は、特になにもしない――数字のウソ
第2章 天才CFOよりグラビアアイドルに学べ――計画信仰
第3章 「食い逃げされてもバイトは雇うな」なんて大間違い――効率化の失敗
第4章 ビジネスは二者択一ではない――妙手を打て
終章 会計は世界の1/2しか語れない――会計は科学
あとがき

山田真哉の人生訓

特に第2章 天才CFOよりグラビアアイドルに学べ――計画信仰 は山田真哉さんの生き方であり、必読ではないでしょうか。第2章で特に印象に残ったフレーズを下記に引用しておきます。

環境の変化に応じたカードをいくつ持っているのか、ということが真っ先に問われる時代が来るということです。
※本書p118より

このフレーズは彼の生き方そのものではないでしょうか。本書の真ん中に持ってきた著者のにくさがいい。このまとめは最後に取っておいても良かったはず。つまり、会計もカードの一つでしか無いんです。

著者のサイトよりプロフィールをご紹介↓

結局、さんざん悩んだ挙げ句、あいだを取って予備校の職員になるが、入社後数ヶ月であっけなく退社。
その後、これまで縁のなかった会計・法律・経営などの勉強を始め、1年間の猛勉強で公認会計士二次試験に合格(1日15〜20時間は勉強したと本人談)。
2000年に合格後は、中央青山監査法人(当時)/プライスウォーターハウスクーパースに勤務。
会計士補会広報委員長にも2年間就任していた。
2001年には、専門学校TACの機関誌「TACNEWS」にて『女子大生会計士の事件簿』の連載開始。
2004年、公認会計士三次試験に合格後、独立して公認会計士山田真哉事務所を開設。
友人の税理士たちと起業家支援組織「インブルームLLC」を設立。
2005年に『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』を出版し、7ヶ月でミリオンセラーを達成。2005年度の第40回書店新風賞を受賞し、流行語大賞の候補にもなる。
またこの年は「インブルームLLC」を改組した、LLP適用日本第一号の「インブルームLLP」パートナーに就任する。
2006年より1年間、「ほぼ日刊イトイ新聞」を発行する東京糸井重里事務所のCFO(最高財務責任者)も兼務した。
プロフィール(山田真哉工房)

環境の変化にいかに対応してきたか。このプロフィールでは一部しか語られてはいませんが、全てが物語られているような気がします。中央青山監査法人は無くなり、LLP適用日本第一号を設立したり、糸井重里事務所のCFOになったり・・・。引用はしていませんが、大学は日本史専攻ですし。。。
真ん中に持ってくることで自分自身をある意味浮きだたせ無いようにしていますが、これはある意味人生訓です。重要な山田真哉哲学でしょう。

本は著者との対話

勝間さんが言うように「本は著者との対話」。山田真哉さんと会話していると思いながら読むことでこの本の奥深さが感じられるはずです。あとがきにもあるように想いが強過ぎて何度も書き直しをした、その想いを感じながら読むことでいっそうの理解が得られる。読みながら想いを感じてほしい。

最後に

これからも環境の変化に対応していく山田真哉さんの活躍を楽しみにしています。「食い逃げされてもバイトは雇うな」なんて大間違い、必読です。