会社をクビになったわたしの友達
先週、大学の友人とお酒を飲みました。大学時代は同じ学部だったこともあり、(不真面目なわたしにもっともノートを貸してくれる友人でもあり、)仲が良かった人でした。
ただ、卒業後は全く接点が無く、ひょっとしたら今後会うことはないかもしれないような状態ではあったのですが、2008年1月ふと偶然に渋谷のラーメン屋の前で遭遇しました。それ以来というもの、今年に入ってから3回は飲んでいます。
今日はそんな彼の話を。
実質2年でクビ
彼はわたしと同時に卒業しているので、この4月で社会人4年目です。彼は某広告代理店に入り、広告マンとして社会人のスタートを切りました。彼は大学時代から真面目であり、しっかりしている人でした。少なくとも、わたしなんかよりは断然と。
しかし、彼は社会人になってから大きな挫折を経験していました。それは解雇です。
404 Blog Not Found:私はこうしてクビを切りました
弾:
それでは問います。あなたの同僚の立場だとして、あなたはあなた自身と仕事をしたいと思いますか?
彼:
思いません。
弾:
あなたが経営の立場、そう、今のわたしの立場にいたとしたら、あなたはあなたをどう処遇しますか?
彼:
クビにすることを考えます。
彼はこれと同じような状況にあっています。
広告マンとして全く結果を出せず、社長に「お前は本当にいいヤツだけど、うちにはお前を雇っておくお金はない」と直に言われています。
社会人3年目になったばかりの時だそうです。実質2年で解雇通告をされた彼の心の痛みはわたしに計ることはできません。
その時の社長の言葉には続きがあります。
社長:
ただ、お前はいいヤツだからおれの知人の会社を紹介してやる、どうする行くか?
彼:
どういう会社ですか?
社長:
○○という会社だ、お前にはあうと思う。
彼:
考えさせてください。。。。
社長:
駄目だ、うちの会社に置いておくことはできない。今すぐ結論を出せ!
彼:
・・・・・・行かせてください
彼はその時、号泣したそうです。自分自身が悔しかった。悔しかった、悔しかった。社長室から出た後にかけられた同僚の言葉に返すことはできなかったそうです。
広告マンからマーケティングのプロへ
彼は今、その会社にいます。
広告マンとして顧客に広告アイデアを熱弁しプレゼンする立場ではありません。会社としての商品の販売企画、つまりマーケティング部門で熱弁を奮っています。入社半年がたった今では彼は自分の会社の役員にプレゼンをする立場に回っています。
「来月は関西圏にこのようなマーケティングを仕掛けたいと思っています。その理由は3つありまして・・・」毎週金曜日、役員プレゼン。彼が手がけた販売企画は既に実施されているものも多くあります。
というか、わたしももちろん、その商品を知っています。
向き不向きなんてやってみなければ実はわからない。本当にそう思う。彼は結果から見れば、広告マンは不向きだったんだと思う。真面目という言葉の通り、遊び心やアイデアには少しかけたところがあるかもしれないと今では思う。
しかし、社会人経験2年をもってして不向き通告。可哀想といえば可哀想なのかもしれません。
「それがおれのモチベーション」
彼の言葉です。酔うと連発しますw。
解雇されたときの前社の社長とのやりとり、本気で自分のことを思ってくれた。前社の同僚は、本気で心配してくれた上に、本気で新しい会社での成功を祈ってくれた。
「それに答えなきゃいけない。」彼はどん底から大きな飛躍をしました。
もちろん、与えられた言葉だけで彼が変わったのではありません。彼も大きく変わろうとしました。彼は新しい会社へ初出社する日の前日に一度すべてを捨てました。
今まで着てきたワイシャツ、スーツ、靴下、パンツ、鞄も靴もすべて捨てました。髪も切ったそうです。そして、3年間つきあった彼女にも別れを告げました。
あなたはできますか?
すべてをリセットして新しいものに向かっていく。脱落者の印を押された彼はそこまでしないと変われる気がしなかった。本当に自分を変えたかった。
わたしは、どう考えても大組織で働くのに向いていない。自分に向いているいまのような働き方ができるようになったのは、前の会社が「おまえは向いていない」とはっきり教えてくれたからだ。
はっきり教えてくれた。それはときには残酷である。それを自分がどう受け止めるか、それを受け止めて自分がどう変われるか。今後の自分の糧とするか。そこが一番大事であり、全てなような気がする。
リンク先のタイトル通り、解雇はチャンスかもしれない。あなたがそれをどう受け止めるか。それにかかっていると思う。
ただし、本当に難しいことだよ。
尊敬する友人Mへ
ぜってーまけねーーーから。いや、この争いは先週の飲み会の続きだよなw。また飲みましょう。