巨匠、逝く

2007年3月22日、作家城山三郎氏がお亡くなりになりました。
どれだけ勇気づけられたことか言葉にできません。謹んでご冥福をお祈りいたします。

わたしが城山氏を知ったのは社会人になってからでした。


一番の想い出は『官僚たちの夏』です。

通産省の人たちに囲まれたわたしの元職場(という言い方が正しいのかどうか)。「経産省(旧通産省)に官僚たちの夏を読んでない人はいない」と言うほどの本ですし、裏話も聞かせていただきました。モデルとなった佐橋滋さんの議論で戦う様子も見ました。

この本をきっかけに熱い話聞かせていただきました。この本がきっかけで元通産省組の思考が少し分かりました。やる気もいっぱいもらいました。この本が全てだとは思わないし、よく言われるように城山氏の小説は主人公を美化していると私も思う。全ての官僚が「日本を変えよう、良くしよう」と思っているとは思わないし、出世競争で疲弊していくのだと思う。


でも、それでも良いんだと思う。
確実に言えることは「日本を変えよう」と思っている人数の勝負では一般の会社は遠く及ばない。官僚は官僚です。新卒採用情報 (METI/経済産業省)←ここで先輩からのメッセージとかを読むと少し元気が出るときがあります。(知っている名前があったりとか。)お金に対する価値観とか天下りとか問題は多いのかもしれないけど、やっぱり官僚は意識が高いです。


城山先生、あなたの著作に登場する数々の人物が「日本を変えよう」と志す少年少女を増やしていると思います。それだけでも非常に大きな功績です。登場人物が美化されているって言う人は放っておけば良い。美化万歳!美化万歳!
もう少し早く読んでいたら何浪してででも「東大行く」って言い張ってたかも。早く読んでいなくて助かりました。


この本の彼らのように「日本を変えよう」という意識はわたしはまだ持てません。しかし彼らの意識の持ち様に対する憧れは心の中に持っています。ずっと持っていたいです。だからわたしはあなたの本を何回でも読み続けます。



城山三郎大先生、ありがとうございました。


あなたの大ファンより。




城山 三郎 / 新潮社(1980/11)
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官僚とはなんぞや。
歴史小説
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