アーユーハングリー

4月は新入社員が入ってくる時期。配属はまだ先であり、直接接しているわけではないのだが、廊下やエレベーターですれ違う彼・彼女らに初々しさを感じると同時に、自分自身も気持ちを新たにさせられる。
例年と同様の採用人数なのかもしれないが、今年の新入社員には、いわゆる在日アジア系の人や、留学経験のある人が多いような感覚がある。この時期だけ付けられる名札の名前をちらっと見たりして納得したり、なんとエレベータでの新入社員同士の会話が中国語で始まることもある。このような彼らから、脅威にも似た気持ち、純粋なハングリー精神を感じることが多々あり、背筋が引き締まる思いがする。


ところ変わって日本と言えば、日本放送協会という名前を冠したNHKが「たかが芸能人が深夜に泥酔して裸になったこと」をニュースの第一報として報じる。これは言ってみれば、日本の豊かさ、平和さの象徴と捉えることができるが、反面、日本のこれからの成長に疑問を持たされる出来事でもあった。

日本は豊かになった。それが故に日本人からハングリー精神を感じることがなくなった。それは致し方ない。最近の日本の風潮は、「ハングリー精神を今の若者に押しつけるのはやめよう」と言い、本屋には「好きなことを仕事にしよう」「無理して働かない」などの文字が所狭しと並ぶ。「好きなことを仕事にして、一生懸命取り組み、その力を日本の経済成長に結びつける」この論理が決して間違っているとは思わない。ただ、わたしの実感から言って、その日本の論理では、ハングリー精神にかなわない。



とりあえず、日本の豊かさに左右されない、大きな視点と少しのハングリー精神をもって行こうと実感した昨今です。