組織の意見は案外正しい

今日の日経新聞23ページの経済教室「企業の人的投資」は切り抜き必須かもしれない。要点だけを抜粋すると以下のようになる。

組織とは組織メンバーが入れ変わっても変化しないということになる。したがって組織の優秀性は組織メンバーの優秀性とは別物である。

日本企業では、企業の能力を向上させるための標準的なやり方は「人に対する投資」で、困難や挑戦に直面すると、より多くの人を投入したり、より優秀な人を投入したり、教育訓練などにより従業員の資質を向上させようとする。これは組織成員の企業能力を拡張しようとする努力である。ただし、企業能力を向上させるためには組織IQも有効である。

この日経新聞での記事は警鐘をならすまでに留まっている気がしなくもなく、簡単にしか組織IQを高める方法は書かれていない。

強力なトップダウンアプローチにより、組織IQスコアを、企業がおかれた産業や環境の特性と考え合わせ、組織を再設計する。人間の情報処理能力はこの百年変わっていないと思われるが、情報量は劇的に増加している。情報処理負荷が情報処理能力を超えてしまうと、意思決定が遅くなったり、間違えが発生しやすくなる。そこで、組織メンバーの情報処理負荷が情報処理能力を超えてしまわないように、組織設計をしていくことがポイントとなる。


わたしがこの文章から読み取ったのは、「経営者がもっと従業員と情報共有をすること」「経営者は権限をもっと従業員に与えること」である。
つまり「情報処理負荷が情報処理能力を超えている状態に陥っているのは、経営者ではないのだろうか?」ということ。

ですので、組織設計は経営者の情報処理負荷をまず少なくすることから考える。階層化を少なくし、よりフラットにし、現場の声が経営者に近い状態にする。そしてさらに現場に裁量権を与える。

これはスポーツでも何でもそうかもしれない。例えば団体スポーツではよくことだけれども、主将だけが悩んで「みんなが着いてきてくれない」だとか「おれが背中で見せないといけない」だとか言うけど、トップの一人が抱え込んでもうまくいかないことが多い。むしろ、一人ひとりは小粒だけれども、みんなで一丸となって練習してきました!というようなチームが結果を残していたりする。甲子園で優勝したチームからドラフト指名が一人もなかったりすることなんてあるわけで。主将だけど試合には出ないというようなチームもあるわけで。



ジェームズ・スロウィッキー,小高 尚子
Amazonランキング:1747位
Amazonおすすめ度:

ちょっと意味はずれているんですが、みんなの意見は案外正しい。ような気がします。個人の力から組織の力へ。組織の力をコントロールできる人が重宝されるのかもしれません。ワンマンではなく、マネジメントというかなんというか。