努力は方向性

(前半、母校のラクロス部の話を書きます)
今年のチームは産みの苦しみを味わったチームだと思う。昨シーズンの昇格を経て今期から再度一部リーグで戦うプレッシャーと、21歳以下日本代表の主将という類まれなるリーダーを持ちながらも練習試合で結果も出せず、空回りをしてきた。
幹部は一部でやることのプレッシャーと「どうすれば勝てるか」ということに頭を悩ませただろう。ついてこない結果に自分たちのやろうとしていることへの疑いやラクロス本来の楽しさを見失うこともあったように思う。
若手は、上級生の人数の少なさという不可避な要因による「やるしかない」状況の中、よく練習についていった。練習中の厳しい叱責に加え、練習試合で思ったような結果が残せていないという状況に「やるしかないけれど、やったところで結果はわからない」という負のサイクルに陥りそうになった人もいるかもしれない。
幹部も若手も自分たちのやっていることを信じきれていたわけではない、、、、と思う。リーグ戦で本当にこれで勝てるのか、3シーズン前の一部リーグ全敗の再現もありえる、という疑念の闇の中をもがく状況だったに違いない。


初戦法政大学。21歳以下日本代表や関東ユースを各ポジションに要す上に、シーズンを占うと言われる5、6月に行われるルネッサンスオープンに優勝し今シーズンは4強を狙えるかと前評判の高いチームである。
「10回やって1回勝てるくらい。それくらいの差はある。」そう試合前から言っていたし、勝つとしたら堅守速攻のロースコア勝ちと思っていた。


ふたを開けてみれば、8−7勝ち。
チームのピークを6月に持ってきてしまった反動と油断のあった法政大学が単調な攻めを繰り返し、ドツボにはまる。対する明学はこれまでのうっ憤を晴らすかのような動きの良さ。ディフェンスの好調さを背景にリズムに乗り、1点1点を着実に積み重ねる。試合中に「勝てる気がする」と誰かが言ったとおり、勝てる気がするという感覚をプレーヤーも観客席も感じていたに違いない。
もう一回やったら勝てない可能性は高いが、8月21日に勝ったのは明学である。一部リーグの波乱の幕開けになったかもしれない。
冬の時代や一部全敗を経験した代にとっては大きな力となったはずだし、大きな感動を与えただろう。幹部が精神をすり減らしてやってきたことの正しさが証明されたベストゲームだと思う。
個人的に特に幹部に「おめでとう」と「ありがとう」を言いたい。そして、これからも期待してるので頑張ってほしい。


皮肉なもんで結果が全て、というのは星野ジャパンも同じ。

星野監督「たたくのは時間止まってる人」 - 北京オリンピック 野球 : nikkansports.com

「強いものが勝つんじゃなくて、勝ったものが強いんだと感じた大会だった。この9試合が1シーズンに感じた」と振り返った。

「皆さんの期待にこたえられずに申し訳なく思う。ただ日本は消して弱くない。ベストな状態に持っていけなかった私に責任がある。ここにいる仲間、選手に『申し訳ない』と言わせてしまった私は本当に情けない」

星野監督の話した二つの言葉は実は矛盾しているんだけど、そう言いたい気持ちもわかる。でも、結果が出なかったので今回はあんたダメです。

ほんっと難しいもんで、どんなに努力をしても結果が出なければ、それは何かが間違っていたってことなんです。努力自体は間違っていないけれど、間違った方向に努力をしていたのかもしれないってことなんです。リーダーの示す方向性が間違っていたってことなんです。(そこから得られるものがあったとしても、それは結果に結びついてはいない。)努力して結果が出なかったときに得るものと、努力して結果が出た時に得るものでは違います。

努力したという実績はともかくとして、やってきたことの正しさを証明するには、結果しかない。努力は裏切らないとは言うけれど、努力の方向性を間違えたら結果は出ません。

だからあれなんだよ、常に方向性を意識しないと駄目。例はスポーツだったけど、仕事でも何でも同じ。近い未来と遠い未来を良く見据えること。努力することの大変さもよくわかるけど、方向性を決めることも同じくらい大事。後輩に負けてられない、おれも頑張らないと。