RE:人月計算とExcelとスーツの世界より

技術屋の人はこれを読んで泣くのかもしれない。大丈夫、わたしも胸が痛いよ。ものすごくどっしりきたよ。システム屋に勤める人は読むべきだろうね。
人月計算とExcelとスーツの世界より一部抜粋

先輩は誇らしげに言う。システムはたいしたことをやっていない。業務知識こそが大事なのだ。
ユーザーより詳しく業務を理解し、適切に提案し、設計する能力。
協力会社を率いて、わかりやすい文書で指示を行い、スケジュールを調整する能力。
人を動かすぶん、責任も大きくやりがいもある。優秀な人材こそが我が社の強みだ。
そんな人材が育つよう、我が社は安定して働ける環境と福利厚生を整えている。


ああ、そうだよ。先輩、あなたは正しい。
俺だってメインフレームの信頼性のすごさはわかってる。
密なユーザーとの関係から生まれるシステム子会社としての強みも認識してる。
それだけじゃない。社内環境も悪くない。給料もいいし休みも取れるし先輩は優しい。


ここは、いい会社だ。


けど駄目なんだ。
30年前のシステムをカビの生えた言語でツギハギする仕事じゃ、俺の心はまったく満たされない。
ユーザーの業務知識ばかり身につけたって、俺自身の人生には、いいことなんてない。


俺が求めていたのは、この仕事じゃないんだ。
社内の誰も、TumblrTwitterもやっていない。ライフハックなんて聞いたこともない。
Joostやモバゲーや2ちゃんねるが社会に与える影響について誰も語れない。
休日はゴルフや酒に興じている。自宅にPCを持ってない人までいる。

おかしいことじゃない。普通の人たちだ。
それどころか彼らは、仕事とプライベートを切り分けている、立派な人たちだ。


でも、やっぱり俺の生きていきたい世界は、ここじゃないんだ。

RSSリーダーも知らない、SNSも知らない(SNSのすごさを知らない)、LLも知らない。はてなも知らない、ソーシャルブックマークも知らない、twitterもやってない。gmailも知らない、ライフハックなんて聞いたこともない。

おかしいことじゃない。普通の人たちだ。

業務知識か技術か⇒顧客満足度か社内満足度か

業務知識か技術かと言う問題は非常に難しいところだし、どちらともいえないのが現状だと思う。
業務システム開発会社にいる以上は業務知識に偏るのも仕方がないと思う。いわゆるパッケージ屋さんであればなおのことだとも思う。多くのパッケージを取り扱った上でどのソフトが適しているかをコンサルティングするパッケージコンサルタントという言葉もあるくらいなわけで。


ただ、業務システム開発の会社にいるSEやプログラマは非常に苦しい思いをするのが現状だと思う。技術は後回しに、ないがしろにされるのだから。


この辺りは「会社がどう社員をケアをするのか」、というのが重要になってくるんではないかな。
最近よく思うのは、顧客主義、顧客主義って叫んでも偏るだけなんじゃないかなってこと。経営者は自社内にも目を向けないとダメなんじゃないかな。お客さんが良ければOKってだけじゃ、社員はついてきませんよ。どのようにして社員の満足度をあげるか、という点にも目を向けないと。


IT業界に入る人って(もちろん営業の人だって)、度合いの大きい少ないはあるにせよ、技術に興味を持って入ってきているんだよ。知ってる?だからこそ、新しいソフトウェアのバージョンやVISTAへの対応とか楽しみにして待ち焦がれている。
業務知識と言う論理でその興味をなくさせたのは会社じゃないのかな。


業務知識か技術か?と言う問いは、顧客満足度か社内満足度か?と言う問いにある程度かぶる部分があるのではないかな?